ヤマハ世界整備士コンテストとは
ヤマハ世界整備士コンテストは、「YAMAHA World Technician GP」と命名された、ヤマハの主催する整備士たちの腕試しの場です。
2年おきに開催されているヤマハ世界整備士コンテストは、2018年には第8回大会を迎え、世界各国から選抜されたメカニックたちが、その技術を競う場として定着しています。
ただ残念ながら、コロナの影響により、2020年度の開催は延期されたようです。
ヤマハの独自開催とはいえ、ワールド・テクニシャン・グランプリと銘打つだけあり、世界中のメカニックたちがしのぎを削ります。
日本国内では、このグランプリに出場するため、「ヤマハ世界整備士コンテスト日本大会」が行われ、トップとなった1名だけが、世界大会に出場できることになります。
また、日本大会に出場するための地方予選もあるため、国内だけでも毎年100名以上の強者が覇を競いあっています。
ヤマハのこだわり
なぜヤマハが、ほかの国内バイクメーカーに先駆け、このようなヤマハ世界整備士コンテストを行ったのかというと、それはヤマハ発動機の気質によるものです。
ヤマハは、車業界でもトップを走るトヨタ車の、主力エンジンを作っていることはあまりにも有名で、エンジンの技術には定評があります。
当然ながらこの大会は、ヤマハの整備士たちの技術の向上を目指したものですが、技術だけの一方通行であってはならないという考え方があります。
つまり、ヤマハの理念でもある、「一人一人のお客さまとのより良い関係づくり」が最も大切で、そうした考えのもと大会では、実技試験や筆記試験のほか、接客業の技術も競われています。
全世界共通のプログラムを実施
冒頭でご説明したように、ヤマハ世界整備士コンテストは、ワールド・テクニシャン・グランプリが正式名称で、略称でWTGPと呼ばれています。
ヤマハは、日本を代表する国産バイクメーカーということもあり、歴代の世界チャンピオンは、日本人の名前が連ねられています。
こうした背景には、ヤマハのバイクに精通するメカニックを育てるという意志が強く。
ここまでにご紹介したコンテスト以外に、ヤマハでは整備士教育プログラムである「ヤマハ・テクニカル・アカデミー」の開催を実施しています。
これは、ヤマハ整備士資格制度と呼ばれるもので、合格すれば略称として、YTA資格者を名乗ることができます。
これは、全世界共通のプログラムで実施されているもので、YTA資格にはブロンズ、そしてさらにグレードの高いシルバー、いずれかの資格が与えられることになります。
出題される内容について
ここまで、WTGPとYTA資格のことを説明しましたが、もう少し突き詰めて言えば、ヤマハ・テクニカル・アカデミー資格の集大成として、ワールド・テクニシャン・グランプリがあるということです。
先にふれましたが、出題される内容は、これまでに培った知識として、二輪車の整理に必要不可欠な知識を問う、学科での筆記試験。
そして、定期点検とF.I.不具合車両の診断、さらに修理を行う実地試験とがあります。
そしてもうひとつ、お客さまに対しての対応を推し量る、接客力試験の三つで試験が構成されています。
つまり試験の内容は、高い整備知識と技術力、商品の魅力を伝える技量とコミュニケーション力と、調和がとれた接客が試験の本質となっているわけです。