ドミノ・ピザが電動三輪バイク「AAカーゴ」の使用を開始
大手のピザチェーン店ドミノ・ピザが、商品の宅配に電動三輪バイク「AAカーゴ」の使用を始めました。
AAカーゴは、2019年に創立された新進メーカー「アイディア(aidea)」にから販売されている電動スクーターです。
7.7kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載しており、ガソリンを一切使うことなく、電気の力のみで長時間の走行が可能です。
脱炭素社会が大きな課題となっているバイク業界、特にデリバリー業界で注目を集めています。
AAカーゴのデザインは、イタリア人デザイナーのクラウディオ・ザンキーニ氏が担当しており、スタイリッシュで無駄のない見た目が人気です。
安定感を重視した三輪構造は四輪車と二輪車の長所を兼ね備えており、配達スタッフの負担の軽減につながっています。
また、大きなルーフ、広い荷台、背もたれ付きのシートなども、ドライバーのストレスを減らす工夫がいたるところに見られます。
「AAカーゴ」導入によるドミノ・ピザの狙い
ドミノ・ピザがAAカーゴを導入したのには理由があります。
その1つが環境への配慮で、AAカーゴは完全電動スクーターでガソリンの力は一切使っていません。
2015年の国連サミットでは、持続可能な開発目標(SDGs)が採択され大きな話題を呼びました。
それから、限られた資源である化石燃料を使うガソリン車を使い続けることが問題視されるようになりました。
そこでドミノ・ピザでは、太陽光、風力、水力などの自然由来のエネルギーから作ることができ、温室効果ガスを排出しない電気のエネルギーを使うことを決めたのです。
2つ目は、騒音問題への配慮です。
電動スクーターであるAAカーゴには、エンジン音と始動音が存在しません。
そのため、今まで近隣住民とのトラブルの元となっていた夜間のバイクでの配達も気兼ねなく行えるのです。
また排気ガスも出ないので、密集した住宅地や狭い路地などでの運転も可能です。
3つ目はコスト削減です。
電動スクーターはガソリンエンジンスクーターよりも、ランニングコストが大幅に少なくなります。
というのも、電動とガソリンのそれぞれの1kmあたりのコストを比べると、なんとガソリンエンジンスクーターの方がAAカーゴよりも1.8倍も多いのです。
さらにAAカーゴは、オイル交換などガソリン車が必要とする定期メンテナンスが少ないので、長く使えば使うほど経費削減につながります。
今まで考案はされてきたものの、走行距離の短さや生産コストのため実現してこなかった電動スクーターの実用化が、現実になってきています。
電動スクーターが多数派になる日もそう遠くはないかもしれません。